喧嘩
兄は地元の中学には行かず、越境して普通の荒れてない中学へ。
私は離れたところには行きたくなかった。
通うのが大変という理由
もう一つは勉強。
レベルが高いところに行けば苦労するのは自分。
お母さんとは悪い中学には行かせたくないようでした。
最終的に決めたのは自分ですから。
入学して暫くした頃、先輩からの呼び出し。
一年生の数名が強烈に、ド迫力ある目立つ三年生から…
あぶない予感。
不思議とツッパリの先輩達の顔は綺麗な人が多い。
お化粧も上手くスタイル抜群。
みんなからは憧れの先輩。
憧れの先輩は喧嘩も強い。
勢いもある。
喧嘩慣れしていたのでしょう。
毎日のように喧嘩の嵐だった学校・・・
呼び出しの場所は、お決まりのトイレ。
うれしくない呼び出し・・・
トイレは綺麗とはかけ離れている。
掃除する人はいたような、いなかったような・・・
トイレの使い方が普通の学校とはちがいます。
悪さする者、ぶっとばすための場所
殴るは蹴るは・・・髪の毛まで引っ張り大忙しの先輩方。
痛いとかは言いません。
納得いかず最後まで謝りませんでした。
すみませんでした。と、謝れば終了。
私は、しめられたほうのがマシという感じでしたね。
理不尽すぎて謝る気などありません。
逃げることなどしたくなかった。
有名な3年の先輩も恐いとは思いませんでした。
かっこいいとは思ってましたけどね。
その間、誰もその女子トイレには入ってくることが出来ません。
見張りが入口に何人も立ってます。
先生達も周りから騒ぎを聞いて駆け付けてきても出入り禁止。
廊下で先生と見張り数名が大喧嘩の大騒動。
暴れてる声や音が聞こえます。
そっちのほうが気になってましたね。
2つ上の先輩、三年生とはそれ以来、仲良くなりました。
ボコボコにぶっ飛ばされて仲良し。
そんな楽しい時代でした。
殴られて口から血が出ても痛いと思わなかった。
早く終わらないかな… 時間が気になる。
心の中で思っていたこと。
初めての煙草は中学一年のとき。
セブンスター、赤ラーク。
最初はゴホゴホ咳こんでたのを覚えてます。
特に美味しいとも思わない。
なんとなく・・・
タバコが学校のどこかに置いてあるから。
机や本棚の上などにも普通に並んでるタバコ
もちろん、先生は役目として見れば職員室に持って行ってましたけどね。
それを知ってる生徒達
そのすぐ後に職員室に回収しに行きます。
たばこ、、やめればいいのに…
興味本意と格好つけたかったんでしょう。私。
今みたいに軽い煙草なんてなかったですし、銘柄は数えられるぐらい少なかった。
三年生に認められると恐いもの無し。
根性ありと認定済。
何かあっても守ってくれたりしてくれました。
その代わり、一つ上の二年生とは合わなかった…
嫌い。
ほとんど二年生とは口も聞かず、挨拶もしません。
する気にもなれない・・・
弱いのに弱い者イジメとかしてる二年の先輩
1人だけ、有名な大不良な先輩とは仲が良かった。
幼なじみでしたからね。
小学校までは美奈子ちゃんと呼んでいたのに・・
中学に入ってからは、ちゃん付けでは呼べない。
それぐらい有名
でも私には変わらず優しかった。
美奈子ちゃんは両親に育てられていない・・
お祖母ちゃんに育てられていました。
美奈子ちゃんが親に捨てられたと知ったときから変わりました。
まさか優しかった美奈子ちゃんが、あんなにグレるとは・・・
毎日のように喧嘩ばかり
血だらけになったときは、涙が出そうになりました。
刃物を持って、先生と喧嘩
悔し涙を流していたのを見たことがあります。
幼い頃の話や親の話を周りには言わない
言いたくなったんだと思う。
同情されたくない
たぶんそんな気持ちだと思います。
後に、美奈子先輩がモデルになってました。
嬉しかった。
美人は喧嘩が強い。
強くならなくては・・
その頃から勝手な思い込みをしてました。
続く
姐さん「任侠」記
姐さん「任侠」記 (宝島SUGOI文庫)
あの時に着てた服は、その日のうちに全部捨てました…
大切な思い入れがある服だったのです。
仕方がありません。
相手の組織と過去に何があったのか詳しくはわかりません。
後で少し聞いただけです。
流れで耳に入ったようなものですから・・・
それから10年以上経った頃も冷たい戦争は続いてました。
上っ面だけの付き合い
面倒だけど、よくあること。
女の世界だけでなく、男の世界でもある
それを身に沁みて感じました。
組織で行われたイベントの後
お酒の量がかなり入ってる人もいました。
私が喧嘩の仲裁に入った時のことです。
A組長とT組長の女房
二人共、酔ってるのだから放っておけばよかった・・・
揉め事があると収めたくなる性格
それでなくても極道は平和な社会ではないのに・・・
「今日は楽しい日なので喧嘩はやめましょう。」
それしか言ってません。
何と矛先は私に…
A組長「●●の姐(ねぇ)だろ
俺は●●なんて関係ねえんだ!呼ぶなら呼べよ」
私「は~っ?」
年上だろうと納得がいかず、流石にキレました…
キレて当然です。
私「今の言葉どういうつもりで吐いたのよ! 」
向こうも喰ってかかって来たのです。
周りにいた各組の若い衆達が止めに入りました。
外で待っていたうちの若い衆も飛んで来ました。
私に罵声を浴びせた組長に
「うちの姐さんに何するんですか!」
自分の親分の姐を守るのも若い衆の役目
何も言わなくてもわかります。 ファミリーですから。
若い衆も相手の態度に腹が立ち、段々と言葉使いが荒くなりました。
それも当然のことです。
大人気なく喧嘩売ってきてるのは向こうですからね。
ぐちゃぐちゃになった店内
私もよく知ってる他所の組の若い衆さんが
「姐さん、外に出ましょう。お願いします。
A組長は酔うと達悪いんで…」
冷静に言ってくれましたが、私の中では収まりが付かず、
「言いたいことがあるんだったら正々堂々と、うちの旦那の前で言いなさいよ」
本人の前で言えるわけがない。
真の怖さを知ってるからです。
みんなは早くその場から出そうと必死でした。
途中で逃げるようなマネはしたくなかった。
何も悪いことしてないのだから
私を守ろうとした若い衆に、その組長は
「おまえ覚えておけよ!只で済むと思うなよ!
ケジメだからな。指落として持ってこい!」
私「関係ないでしょ!うちの若い衆が何したっていうのよ!」
ありえない。
理不尽すぎる…
汚い・・・
だいたいが酔っぱらったT組長の女房とA組長の喧嘩の仲裁に入っただけ。
ずるい事に、その女房は自分に関係ないかのようなフリ
逃げるように去りました。
いつも私の名前を使っては、ホストクラブで飲み歩いてるT組長の女房…
最後にケツを持つのは、いつも私
知らないの旦那だけ
他のみんなは知ってるのに・・・
ごめんねの一言もない
火種を作る人間はいつも決まってます。
自分のケツは自分で拭くもの。
それが出来ないなら自分の旦那に助けてもらえばいい
それが裏の世界というもの
その旦那に甲斐がないからでしょうか
口先だけは達者で、その場かぎり
裏では自分の都合のいいようにしか言わない人間達
それを真に受けるほうもどうかしてる・・・
それも歌舞伎町という暗黒街
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石原まい子