こちらの記事の続き。

朝早く一本の電話が鳴りました。
出たのはお母さん
何か様子が変…

「まい子、大変よ。エミちゃんのお父さんが…自殺したって…」

私「エミちゃんの所に行ってくる。」
お母さんからは止められた…

今は行かないほうがいい
私は前の日も変わらず、エミちゃんの家に遊びに行っていました。
私が好きな海老を多めに入れてくれた天丼

ご飯は少なめで。
好きなだけ食べなさい
遠慮しなくていいから。

夕飯はエミちゃんと一緒でした。
1ヶ月に何回かは泊まりに。

あの時、五百円もらいました。
今とはお金の価値がちがいます。

40年近く前

「おじさん、こんなにいいよ。持ってるから大丈夫」
「いいから、しまっておきなさい。」

これが最後の会話でした。

お通し


もしあの時、私が泊まっていたら…
死ななかったのかな…

何があったのか分かりませんでした。
何で…何で…

お母さんに内緒でエミちゃんの家まで走りました。
そしたら、パトカーや救急車が止まってました。

エミちゃんの姿が見えない
商店街は人の山
私は中に入る勇気がなかった…

家に戻ったらお母さんは電話中

後で聞いた詳しい話。
朝、エミちゃんのお姉ちゃんが一階のトイレに入って、扉を開けたら…
おじさんが首を吊っていたらしい…


それを聞いてショックだった…
私よりエミちゃんやお姉ちゃん、おばさんは立ち直れないぐらいショックなはず…

御通夜、御葬式には学校の友達みんなで行きました。
ずっと泣いているエミちゃんとお姉ちゃん
声をかけられなかった…

遺影の写真は、いつも優しいおじさんの笑顔
涙が止まらない…

家族がいるのに何で死んじゃったの…
悲しすぎる…

みんなで遊園地やプールにも行って楽しかったのに…
しばらくして、エミちゃんの家は売りに出されてました。

学校にも来ない
電話しても繋がらない
どこにいるのか分からない…

何も言わないでいなくなってしまった…
あれだけ仲良しだったのに…

私はどうしてもエミちゃんと連絡が取りたくて探し回りました。
商店街のお魚屋さん、隣のサンドイッチ屋さん、八百屋さん、裏のお家まで。

みんな仲がよかったはず
それなのに誰も居場所も連絡先も分からない…

1人で毎日のように聞いて回った。
何か手がかりがあるはず。

続く

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