小学生のときです。
竹馬(たけうま)が流行った時がありました。
私もみんなと同じように竹馬を買ってもらいました。

まったく出来ない…
向いてない・・・

片足を乗せただけでバランスを崩してしまう。

面白くありません・・。
何が楽しいのかわからない

本当におもしろくないかった。


上手に乗れてる人が羨ましくみえました。
竹馬で走ってる子がいると、まるで自分の足のような勢い

「すごい。すごすぎる」
竹馬名人!
私には無理かな・・・・

考える人4・10

みんなの見えない所で密かに練習しました。
見られると練習終了。

なんだか恥ずかしい・・。
まだお茶目な頃の小学生

上達しないのをお父さんが見ていたのでしょう。

こっそり?

普段は厳しくて怖い存在の父でしたが、優しく教えてくれました。

珍しい・・・・
私とちがって運動神経抜群のお父さん

似てればよかったのに・・・

昔の竹馬話しを聞いたりして楽しかった。
普段は仕事の鬼と思うぐらい生真面目なお父さん
そのうち、手作りの竹馬を用意してくれました。

嬉しいのと恥ずかしいのと何ともいえない気持ちです…。

喜んだかどうかは別ですけど。
だって・・・・


手作りの竹馬を持ってる友達なんていません(笑)

もちろん、新しいのも買ってもらいました。
さすがに手作りの竹馬では・・・・
しかも本当の竹!

倒れず上手に乗れたときは感動ものでした。

心の中で大はしゃぎ。

口には出せなかった。
素直じゃなかったですからね・・・

「竹馬なんか流行らなければいいのに」
そんなふうに思ってましたから。

私は馬になった気分を味わいたいとも思わない
只、流行っていたから・・・
それだけ。

上手になってからは、手が痛くなるまで竹馬に夢中。
手にマメが出来てましたから。
我ながらよく頑張った。

何でも夢中になると止まらない性格。
でも負けず嫌いではない。

お父さんのおかげで、みんなと同じように竹馬が乗れるようになりました。
竹馬(チクバ)の友ならず、竹馬の父。


ありがとう
お父さん。

石原まい子


姐さん「任侠」記 (宝島SUGOI文庫)
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姐さん「任侠」記
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赤と黒の履歴書